イチロー選手が日本でブレイクしたころの代名詞が『振り子打法』
その特徴は、ピッチャー寄りの足をステップする際に膝を曲げて上げるのではなく、膝をほとんど伸ばした状態でキャッチャー寄りの足に引き付けるように大きく振る動作。
その足の動きが、『振り子打法』と呼ぶ由来。
イチロー選手が、この打法を取り入れた理由は、足でゆっくりと大きくタイミングを取ることにより、上体のツッコミを抑えるためで、それによってボールを体の近くに呼び込むことが可能になったとのこと。
また、次の2点も『振り子打法』によるメリット↓
@下半身から伝えるパワーが増大する
Aピッチャーが投じるボールを目で一本の長い線として捉えるため
@については、あれだけ大きく足を振るわけですから、その反動を活用するというのは容易に想像がつきますよね
Aについては、イチロー選手独特の感覚的なものになりますが、イチロー選手は”目でボールを長く見る”ということを自分自身のバッティングの特徴としていて、その動作…つまりボールを長く見ることで一本の長い線としてとらえるという作業を目だけでなく、体でも同じことを行う上で足を大きく振る必要があったとのことです
Aについては、ちょっと難しいかもしれませんね
『振り子打法』で、イチロー選手はヒットを量産し日本史上初の200安打越えを達成するなどしたわけですが、『振り子打法』を取り入れる選手はほとんどいないといってもいいのではないでしょうか。
その理由は何でしょう?
おそらく、「タイミングの合わせ方が難しい」ことと「体重移動が難しい」ことが理由となるでしょう。
ゆっくり大きく足を振り、それによってパワーを生むということは、そのタイミングは非常にシビア・ピンポイントであり、類稀なる動体視力とスイングスピード・バットコントロール力を持ってこそ可能になることでしょう。
体重移動については、当時のイチロー選手の打ち終わりをみるとわかるのですが、完全に軸足が動いていて、その姿はこれまでのバッティング理論とはかけ離れているようにも思えますよね…
しかしこれは、『振り子打法』であるからこその現象でしょう。
足を大きく振ることで、しっかりとキャッチャー寄りの足に体重は乗っていますが、そこから体全体でバットを振りだしていくようなりますから、ステップした時点でピッチャー寄りの足が軸の役割になるのです
言葉でいうと簡単ですが、このピッチャー寄りの足を軸にする場合に気をつけなくてはならないことは体の開きで、ピッチャー側に重心を動かしていく上で体は開きやすくなるためで、このことも『振り子打法』を採用するバッターが少ない理由でしょうね。
2000年の春頃から、当のイチロー選手も『振り子打法』ではなくなっています。
これは、上の@とAが『振り子打法』でなくても可能になったからと言われています。
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