『シーム(seam)』は、英単語であり、直訳すると「布や革などの縫い目」となる。
したがって野球用語としてつかわれる場合、『シーム』はボールの縫い目(ヤマ)を指します
加えられるスピンの回転数と方向(回転軸の違い)によって、ピッチャーが投げるボールは変化します。
そして、その変化に重要な役割を果たしているのが『シーム』
科学的に言うと、『シーム』によりボールの表面に存在する凹凸が、投げられたボールの周りに発生する気流に変化を与え、その気流の変化により発生する力(特にバックスピンによって揚力が発生する現象を【マグヌス効果/マグナス効果】と呼びます)によってボールが変化するわけ。
小難しい話になってきました
簡単に言うと、同じ握りで同じ投げ方をしたボールでも、握られたボールの向きによって変化の仕方が異なるということ。
なぜなら、球形であるボールに対しアイマスクの縁取りのような形で入っている『シーム』の向き(1回転当たりに通過する回数)が変わるからであり、必然的にボールに加わる力が異なるからです。
耳にされたこともあるかと思いますが、2011年シーズンの日本プロ野球はセ・リーグもパ・リーグも同じボールを使用することになりました。
”統一球”と呼ばれていますが、同一規格・同一製造メーカーによって造られるようになったわけです。
この”統一球”は、ボールの素材を変更されているのとともに、『シーム』の高さや幅も変更されているとのこと。
これにより、ピッチャーが投げるボールの変化が大きくなったようで、もともと飛ばないというピッチャーに得な評価であった”統一球”ですが、これに変化が大きくなるという影響も加わり、2011年シーズンはピッチャーの防御率が驚くほど低いものになっています。
実際は、0コンマ数ミリくらいの違いになるのでしょうが、『シーム』が与える影響が、それくらい大きいということを伝えたかったのです
この『シーム』を有効に(理解して)使えることは、ピッチャーの能力の底上げにつながること間違いなしでしょう
3か月で15キロも投球スピードが上がった特別な練習法はこちら

